縁起の良い動物
目次
- 1. ●縁起の良い動物●
- 1-1. 知恵の象徴【フクロウ】
- 1-2. 飛躍の象徴【ウサギ】
- 1-3. 招福の象徴【馬】
- 1-4. 豊穣の象徴【豚】
- 1-5. 繁栄の象徴【すずめ】
こんにちは。
名刺良品ブログ、母も子も食欲が止まらない、担当Aです。
8月頃から米の品薄が続いており、
『令和の米騒動』と呼ばれる現象が起こっています。
9月下旬頃〜10月にかけて新米が出荷されるようで、
9月12日には、新潟のコシヒカリが例年より早く県外へ出荷されました。
関東・関西を中心に全国各地に新米が届くことになっており、
米不足は徐々に解消に向かうのではないかと期待されています。
お米の生産地として有名な新潟ですが、
雷が多い県だということをご存知でしょうか。
雷は通常、夏場に多く発生するものですが、
新潟の雷は11月から1月にかけて多くなる傾向があり、
とても珍しい天候の特徴をもっています。
実は、この雷が
『お米の成長を促進させる』重要な役目を担っています。
雷が放電すると、空気中の酸素と窒素が結びつき、
窒素酸化物になります。
この窒素酸化物が雨に溶けて田んぼに降り注ぐと、それが肥料となり稲の成長を促進させます。
雷の別名は、稲妻(いなづま)!!
雷が米の成長を助けていることを知ると、
『稲』の『妻』と呼ばれるのも納得がいきますね。
稲妻は恵みの雨を呼び、豊作をもたらすことから
『雷光が稲に当たると稲が妊娠して子を宿す』という伝説がうまれ、後世に受け継がれています。
稲妻紋と呼ばれる、稲妻をモチーフにした家紋のデザインも作られているようで、
稲妻菱、三つ稲妻菱、角立て稲妻…と、48種類程あるようです。
一族の家紋となるくらい大切なモチーフになっているのは、とても興味深いです。
昔から豊作の象徴とされてきた『雷』
他に、どんなものを象徴として大切にしてきたのでしょうか。
日本の『縁起』という言葉に何かヒントがありそうで、
言葉の意味を調べてみました。
私達は『縁起を担ぐ』など、悪いことが起こる前兆(きざし)として『縁起』という言葉を使い、意味を持たせています。
しかし本来『縁起』とは、
すべての存在は、多くのものの力や恵みなどの因縁によって『私』が成り立っている。
という仏教の基本的な教えを表す用語のようです。
印刷にとって、仏教はとても深い関係がありますよね。
なぜなら、日本の印刷の始まりには『仏教』が関係していますから。
そんな仏教的な意味をもつ『縁起』が、
どこから変わってしまったのか、仏教の考えというより、
『縁起の良い日』『縁起の良い食べ物』など縁起の良い〇〇と、
少し占いのような、風水のような感じで使われているのが気になります。
今回は、縁起の良い〇〇の中で
『縁起の良い動物』に着目し、様々な象徴をもつ動物たちをご紹介します。
デザインのモチーフ探しのご参考などになれば幸いです。
●縁起の良い動物●
知恵の象徴【フクロウ】
フクロウは世界中の様々な神話に登場しており、
日本ではアイヌ神謡集に登場しています。
アイヌ神謡集とは、アイヌの民が継いだ謡(うた)で、
13編で構成され、フクロウ、狐、兎、沼貝などの神様が一人称で語るような形式をとっています。
この謡で出てくるフクロウは、北海道のみに生息しているというシマフクロウです。
シマフクロウは、アイヌ民族の中では『村を守る神』とされています。
ヨーロッパでは、ローマ神話に登場する、知恵の女神ミネルヴァの肩に『英知の象徴』としてフクロウがとまっていることから、『知恵』『賢者』というイメージがついています。
「wise as an owl」
直訳すると、フクロウのように賢い。
英語では『とても賢い』という意味を「wise as an owl」と表すようです。
明治時代に西洋文化と共にフクロウの『知恵』というイメージも日本へ根付いたと考えられています。
また、フクロウという音が『不苦労』『福来朗』と縁起の良い当て字ができることから、
日本でも人気が高まったようです。
フクロウは夜行性で、目と耳がとてもいいことから
『夜目がきく』が『世目がきく』にかわり、
『世間知に富む』『世間に明るい』という意味がもたれるようになっています。
このことから『商売繁盛』のご利益があると言われていたり、
首がクルクル回ることから、
『借金で首が回らなくなることがない』や、
知恵の象徴から『学業成就』などフクロウが縁起が良いとされている理由はたくさんあります。
縁起が良いことから、フクロウの置物を気の入り口である玄関に飾っている方も多いようです。
私も友人の家や近所の庭にフクロウの置物が飾ってあるのを見たことがあります。
風水では、フクロウの色合いによって呼び込みたいものが変わるようで、
お金を招きたい場合は、白いフクロウ
愛を招きたい場合は、ピンクフクロウ
やる気を招きたい場合は、赤フクロウ
穏やかさを招きたい場合は、青フクロウ
人気を招きたい場合は、ガラスのフクロウを飾るのが良いと言われています。
フクロウの置物と相性がよい方角は『西』で、
人がたくさん集まる場所(リビングやダイニング)に置くのもおすすめのようです。
飛躍の象徴【ウサギ】
一般的に飼育されているウサギは、高さ50〜60cmくらいは余裕で跳ぶことができ、
活発な性格のウサギだと、本気で飛べば1メートルほどの高さまで跳ぶようです。
あんなに可愛らしい動物が1メートルもジャンプするとは、
とても驚きです。
一番ジャンプ力があるウサギは、北アメリカを中心に生息している『ジャックウサギ』と言われていて、高さ3mくらいは跳ぶことができるようです。
小さいながら、ウサギが軽々と高く跳ぶ姿から、
『飛躍』の意味が込められています。
また、逃げ足の速さから『災いを避ける』『家内安全』の意味もあり、
ウサギのモチーフをお守りにする人も多いです。
ウサギは多産で妊娠する確率が99%と、繁殖力に優れています。
そのため『子孫繁栄』を表す、縁起の良い動物としても有名です。
雄と雌のウサギを同じ空間に、ほんの少し一緒にしただけで妊娠してしまう確率が高いとか…。
一緒に生まれた子ウサギも三ヶ月経つと、雄と雌で分けて飼育しなければならないようです。
古事記の「因幡(いなば)の白兎(しろうさぎ)」という話では、
出雲大社の『だいこくさま』と八上比売(やかみひめ)を結びつけたことから、
『特定の人との』縁結びの神様として白兎神社に祀られています。
かなわぬ恋を叶え、特定の人との親交をより深めてくれるとして多くの参拝者が訪れています。
古事記は日本最古の書物であることから、
因幡の白兎のお話は、日本初のラブストーリーということになりますね。
白兎神社は『恋人の聖地』に認定され、人気スポットになっています。
縁結びで有名な出雲大社も、ウサギの石像が66羽もあり、
白兎との深い関係が伺え、とてもドラマチックです。
私も行ってみたい場所の一つです。
招福の象徴【馬】
馬は昔から愛され、大切にされてきた動物です。
古墳時代の中ごろから馬の存在が登場しています。
馬は逆さに読むと『まう』で『舞う』という言葉に繋がり、
おめでたいこと、祝い事を連想できることから縁起が良いと言われています。
馬は右から乗ると転ぶという不思議な習性があるため、
必ず左から乗ることになっています。
なので『左馬は倒れない』と言うことから、
人生つまづかない、物事が安定するとして左馬は『招福』の象徴となっています。
商売繁盛や招福万来を願い、
将棋の駒に左右反転した馬の字を書いた置物を飾っているお店もあります。
馬は神様の乗り物とされ、神様に奉納された馬は神馬(しんめ)と呼ばれていました。
神社で参拝者が願いを書く絵馬は、本物の馬の代わりに板に描いた馬を奉納し願掛けをしていたことから絵馬と呼ばれています。
絵馬のように馬が関係している文化は、私達が知らないだけでたくさん残っています。
結婚式でいただく『引き出物』も馬が関係しています。
昔は結婚の宴の成功を喜び、そのお土産に馬を贈っていました。
庭に馬を『引き出して』贈ったことから、
『引き出物』と呼ばれているそうです。
現代では、カタログギフトになっているのが面白いです。
豊穣の象徴【豚】
豚は多くの國や地域で家畜として古くから飼われてきました。
豚の貯金箱としてのモチーフは有名で『金運アップ』になると言われています。
特に、金色や銀色の豚の置物は財力を高めるようです。
豚は食料として重要なことから、
日本だけでなく他の国々でも『繁栄』や『豊穣』の象徴とされています。
英語では『奇跡が起きた』という意味で、
「Pig might fly」と表現するようです。
直訳すると、『豚が空を飛んだ』です。
風水では、豚のモチーフは健康運や家族運の運気を上げてくれる幸運の動物で、
女性同士のトラブルにはピンクの豚がトラブル解消に導くと言われています。
結婚式に豚のぬいぐるみを飾る新郎新婦もいるようです。
豚のキャラクターが好きなだけでなく、
豚は多産なことから『子孫繁栄』を願うための意味も込められているのかもしれません。
ドイツでは大切な記念日の贈り物に、
『豚』と『クローバー』を組み合わせたモチーフの物をプレゼントする風習があるそうです。
『四葉のクローバーが一面に広がる丘に住む幸せの豚』というお話が有名なようで、
私も詳しく見てみたいです。
繁栄の象徴【すずめ】
すずめは『一族繁栄』『家内安全』『富』という意味を持っています。
ギリシャ神話の愛と美の女神であるアフロディテの聖鳥になっていることから、
特に愛や夫婦仲の意味を強め『繁栄』の象徴になっています。
冬になるとすずめは、秋から備えた脂肪と、
羽毛を立てた間にたくさん空気を取り込むことで、ふっくらした姿になります。
こうすると冷気を遮断することができ、
ダウンジャケットを着ているような効果が得られるそうです。
冬場にまるまる太ってふっくらしたすずめの事を『ふくら雀』と呼んでいます。
『福良雀』と縁起の良い当て字で表すこともあります。
ふくら雀は、ふっくらと肥えたその姿から『豊かさ』のシンボルになっています。
若い人向けの帯結びの名前にもなっていて、
『一生食べ物に困らない暮らしができますように』と願いが込められ、
お見合いや結納などで、この帯結びが使われています。
すずめは、毎年同じところに巣をつくり、
巣立った後に隠れることができる場所を選んで巣を作っています。
とても頭が良い鳥です。
このことから『家運長久』のモチーフとしても愛されています。
すずめは、鳳凰のヒナだという言い伝えもありますし、
たくさんの幸運を運んでくれそうです。
今回は縁起の良い動物の中から『フクロウ』『ウサギ』『馬』『豚』『すずめ』をピックアップし、
ご紹介しました。
他にも縁起の良い動物はたくさんいます。
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■本文イラスト なかむらゆうこ
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