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伝統的な和柄

伝統的な和柄

こんにちは。
名刺良品ブログ、時代小説が好きな担当Aです。

最近は読む本の数が増えてきてしまい、図書館に頻繁に通っています。
月に20冊くらい借りて読んでいるので、ほぼ毎日のように本を広げて楽しんでいます。
子ども優先の生活ですので、通勤中の合間か夜中しか時間が無いのがさみしいところですが、
好きな時間があることは幸せなことです。

時代小説を読もうとすると、見慣れない言葉や単語が出てきたりして、
難しくて読むのを辞めてしまったりする方は多いと思います。
私も最初はそうでした。
時代小説に挑戦する際には、自分にとって読みやすい文章を書く作家さんを見つけることが私流のオススメ法です。
冒頭の文章の入り方で、自分に読めるかどうか判断することもあります。

時代小説の中で気になるのが、和柄の表現です。
【鮫小紋の着物】や、【鹿の子模様の小袖】など時代小説には、和柄の表現がよく出てきます。

和柄とは、日本の伝統文様のことです。
文様を定式化させ、規則正しく配置しているものを主に和柄と呼んでいます。

平安時代後期。
以前に別の大陸から伝わってきた文化・デザインと、
日本特有の文化・デザインをアレンジしたものが流行し、広まりました。
その後デザインは独自の文様へと変化し、現在に至っています。

和柄の柄には一つ一つ意味が込められており、
縁起が良いとされる模様を『吉祥文様(きっしょうもんよう)』と呼びます。

吉祥とは、【めでたいしるし】という意味があります。

今回のブログでは、
幸せを呼ぶ、おめでたい和柄『吉祥文様』をご紹介します。

■青海波(せいがいは)文様■

参考デザイン https://www.meishiryohin.com/products/detail/1350

半円を重ね、大海原を連想させるような模様。
日本だけでなく世界各地で見られるこの模様は、シルクロード経由し日本に伝わったと言われています。
平安時代に描かれた『源氏物語』にこの模様が登場することから、
飛鳥時代頃に日本に伝わり、古くから親しみ愛されていたことが伺えます。

雅楽に『青海波』という演目があり、
その舞を踊るときに着ていた装束に、この模様が使われていたことが名前の由来になっています。

『源氏物語』紅葉賀の巻では、
紅葉の木の葉が散っていく中で『青海波』を舞う光源氏が美しく描かれています。

青海波文様が世間に広く知れ渡ったのは、江戸時代中期になってからです。
塗師である勘七(かんしち)が、「青海波塗」の技法を創始し、
巧みに青海波の図案を描くことから『青海勘七』と呼ばれ、この模様が広く流行、流布しました。

水面を幾何学的にデザインした模様になっており、
絶え間ない連続的な波と穏やかな海の様子から【未来永劫、平和で穏やかな暮らしが続きますように】と願いが込められています。

海の恵み、自然のエネルギーを感じる模様で、
着物や工芸品だけでなく、道路や壁のタイルのデザインとしても活用されています。

■亀甲(きっこう)文様■

参考デザイン https://www.meishiryohin.com/products/detail/1351

正六角形が規則正しく並んだような模様。
亀の甲羅に似ていることからこの名前が付きました。

亀は長寿の象徴として古くから神聖なモチーフとして伝えられてきました。
その亀から由来していることから、
【長寿】【健康】【縁結び】の願いが込められています。

模様は中国から飛鳥時代の日本に伝来したと言われています。

その頃の中国では亀の甲羅を焼き、表面にできた割れ目をみて物事の良し悪しを占う
『亀卜(きぼく)』と呼ばれる占いが広く行われていました。
中国では亀は神のように尊いものとして扱われていたため、
日本でも神聖なイメージが伝わり、高貴な身分の者しか使用できない格式高い模様として取り扱われました。
一般庶民の目にふれるようになったのは鎌倉時代に入ってからのようです。

正六角形は安定した形で、
正六角形を隙間なく並べた集合体は『ハニカム構造』と呼ばれています。
ハニカムはミツバチの巣という意味です。
ハニカム構造は、隙間が生まれず最も安定した六角形を利用した構造で、
『軽くて高い強度』『衝撃の吸収性』『断熱効果』を誇り、様々な建築物に利用されています。
飛行機の翼や金網のフェンス、御椀の形にも使われています。
鎌倉時代では『強さ』のイメージも加わり、武士にも愛されました。


シンプルな単調な模様ですが、他の模様やモチーフとの組み合わせが自由にできやすく、
六角形の中に花の柄が描かれた『亀甲花菱』や六角形を組み合わせた『毘沙門亀甲』など、
他にも様々なバリエーションが誕生しています。
デザインも無限大にできることが亀甲文様の良いところです。

ちなみに【亀は万年】と言われていますが、
現在、世界最高齢の亀は南太平洋セントヘレナ島にいます。
アルダブラゾウガメで「ジョナサン」という名前です。

ギネス世界記録を現在も更新し続けており、
年齢は190歳を超えています。

2023年12月に191歳を更新したという記事を拝見しました。
この情報を参考にさせていただきますと、もう少しで192歳になるようですね。

1832年生まれの亀・ジョナサンは、江戸時代から生きていることになります。

1832年ですと和暦は【天保】天皇は【仁孝】将軍は【第11代将軍 徳川家済】の時代です。
これから東海道五十三次ができて、ペリーが来て、勝海舟が米国に行くのだと思うと、
とても長い時間を生きていますね。
世界では、写真や電話ができたり、ライト兄弟が飛んだり、月に着陸したりするんです。
その間、ゆっくり時を過ごしていた亀を思うととても霊妙で不思議な気分です。

■菱(ひし)文様■

参考デザイン https://www.meishiryohin.com/products/detail/1349

2本の平行線が交差してできた模様。
自然に生じた模様と言われており、
縄文時代の土器に見られる模様で、歴史はとても古く長いです。

水草、ヒシ(菱)の実や葉に似ていることに由来しています。

ヒシの実は食べることができ、血行促進など健康に良い効果があるようです。
水中で茎を長く伸ばし水面に葉を広げる、繁殖力が強い植物です。
このことから【子孫繁栄】【無病息災】の願いが込められています。

菱の実を食べて千年生きたとか、
菱は心臓の形に似ているなど、菱形は縁起のよい特別な形として日本人に親しまれて来ました。
菱形は身の回りによくある形で、
ひな祭りに飾る三色の餅も菱形で『菱餅』と呼ばれていますよね。

菱餅の赤(桃)は魔除け、桃の花、
白は冬の残雪、
緑は新芽を意味し、
寒さ厳しい冬を耐え、生命力溢れる新芽を伸ばし、美しい桃の花を咲かせるような女性になりますよにと、
願いが込められています。

亀甲文様と同じく、平安時代には貴族しか身に着けられない高貴な模様でした。
バリエーションも多く、様々な名前の菱文様があります。

戦国の武将である、武田信玄の家紋にも使われ、
『武田菱』という名前にもなっています。

■檜垣(ひがき)■

参考デザイン https://www.meishiryohin.com/products/detail/1348

斜めの長方形をリズミカルに組み合わせた模様。
名前の通り、檜(ひのき)の薄板を網代のように組んだ垣根をイメージして作られたことに由来しています。
網代とは、網の代わりに竹や木を使って作った網状の仕掛けで、魚を捕るために使われていたものです。

規則的に組み合っているデザインから【礼儀を尽くす】と、
相手に対して敬意を払って、強く思いやる気持ちが込められています。
また斜めに組んでいる様子から、菱形にも似ているため【無病息災】の意味も含んでいます。

現代でも床などによく使われる模様です。

名前に使われている檜は、日本書紀から登場しており、
古くから城や神社、寺などの建築材として選ばれてきました。
檜といえば、自然豊かな香りが特徴的です。
香りには『フィトンチッド』という成分を含み、
リラックス効果や睡眠の質を高める効果などがあると言われています。

檜の香りは、アロマオイルでも人気です。
ウッディ系と呼ばれる森林の安らぐ匂いは、忙しい日々の癒やしとなりそうです。

檜垣の模様もシンプルながらお洒落で落ち着きのあるデザインなので、
爽やかな気持ちにしてくれそうですね。



鬼退治をモチーフにしたアニメでは、登場人物が羽織る
『市松模様』『麻の葉』『鱗』などの和柄が有名になりました。
この和柄もほとんどが吉祥文様です。

そう言えば、吉祥寺という駅名がありますよね。
縁起の良い文字が入ったお寺に行きたいと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、
吉祥寺に『吉祥寺の寺』はありません。
文京区にあります。

吉祥文様は、身につける人の幸せを祈って選ばれる模様です。

名刺では自分にも相手にも幸せを呼び寄せるデザインになってくれるかもしれません。
和柄を使って、願いや気持ちの一端を加えてみてはいかがでしょうか。


名刺良品では、様々な場面で活用できるデザインを豊富に取り扱っています。
ご自身のオリジナルなデザインも短納期でお届けできます。
【謹賀新年名刺】の作成にも是非ご利用ください。

ご注文いただけますのを心よりお待ちしております。

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