用紙の工場に行ってきました!
皆様、こんにちは!!
いつもご入稿ありがとうございます。
すっかり寒くなってきましたね...
寒すぎて身長が4センチ縮んだ名刺良品のブログ担当です。
今回は、ついに念願だった用紙の工場見学へ行って参りました!!
「用紙の原料って何なの??」「そもそも用紙ってどうやって作られてるんだ???」という
長年の疑問を解決すべく、この目で実際の製造過程を見てきました!
目次
- 1. 日清紡ペーパープロダクツ株式会社とは?
- 2. 製造工程【原料部門】
- 3. 製造工程【抄紙部門】
- 4. 製造工程【加工部門】
- 5. まとめ
1.日清紡ペーパープロダクツ株式会社とは?
今回、製造工程を見学させて頂いたのが、きゃりーぱみゅぱみゅさんのCMでお馴染み
『日清紡〜名前は知ってるけど〜♪日清紡〜何をやってるかは知らない〜♪』の、
今、必要な会社「日清紡ホールディングス株式会社」様のグループ会社である
「日清紡ペーパープロダクツ株式会社」様に行ってきました。
「日清紡ペーパープロダクツ株式会社」様では、ティシュペーパーやトイレットペーパーといった家庭紙分野から、
ファインペーパーや合成紙を中心とする洋紙分野、電報台紙、写真台紙、
パッケージなどの紙加工品分野にいたるまで、幅広い紙製品を製造・販売しています。
その中で、名刺良品でもお馴染みの「特殊紙」や「エンボス紙」シリーズをメインに製造をされているのが
日清紡ペーパープロダクツ株式会社様の「富士事業所」です。
これらの用紙がどのように製造されていくのか、早速見ていきましょう!!
2.製造工程【原料部門】
まず、最初の工程は、用紙の原料を作る【原料部門】の工程です。
用紙の原料となるパルプは、主に木材がメインとして用いられ,
細かく砕いた木材チップをベースに、化学処理や機械で加工をして作られています。
使用をしている木材の種類や、材料の種類で、特性の異なる用紙ができ上がるそうです。
例えば、針葉樹のチップの配合が多いパルプならば、ハリやコシが強い用紙になり、
広葉樹のチップの配合が多ければ、柔らかい地合のよい紙ができます。
このように紙を特徴づける性質は、このパルプの配合率でほとんど決まってくるそうです。
- ・LBKP(広葉樹の木材パルプ)
- ・NBKP(針葉樹の木材パルプ)
- ・リンター(綿種子の表皮繊維を使用した非木材パルプ)
- ・バガス(サトウキビの搾りかすを使用した非木材パルプ)
- ・タケ(竹の繊維を使用した非木材パルプ)
上記のパルプを商品毎の配合率に合わせて、積み合わせていきます。
積み合わせたパルプを、〈メインパルパー〉という機械で、水と混ぜ合わせパルプを溶かしていきます。
用紙を作る過程で、大量の水を必要とする為、用紙工場は静岡県などの
綺麗な水を確保できる場所に建てられることが多いそうです。
溶かしたパルプを〈離解機(りかいき)〉と〈叩解機(こうかいき)〉を用いて、繊維にキズを付けていきます。
あえてキズを付けることで、繊維同士が絡みやすく結合がしやすくなるそうです。
叩解の工程が少なければパルプの強さが残るので強く、叩解の工程が長ければ密度が高い用紙になります。
叩解した後、パルプに薬品や染料を投入し調合して『紙料』をつくっていきます。
この過程で、おおよその用紙の不透明度や、色が決定され商品によっては、混ぜ物を加える(混抄)こともあるそうです。
3.製造工程【抄紙部門】
抄紙部門では、主に3つの工程に分かれて製造がされていきます。
【ワイヤーパート】
このワイヤーパートで、初めて紙の形が出来てきます。
このワイヤーパートでは、先程の原料部門で作られた『紙料』を、大型の機械で抄紙(しょうし)を行い、
※抄紙(しょうし)とは?紙をすくこと。かみすき。
紙料を水に混ぜて薄めた後、ワイヤー(網)に載せて余分な水を落としていきます。
ワイヤーに載せる前の紙料は、水分量が非常に多く95%近くの水分量があるそうです。
抄紙機には〈長網抄紙機(ながあみしょうしき)〉と〈円網抄紙機(まるあみしょうしき)〉の2種類があり、
長網抄紙機ではワイヤーに振動を加えて地合を整えて均一にしていきます。
円網抄紙機では、ワイヤーを張った円筒を槽の中で回転させ、
水の圧力差によって繊維層が造られるためより厚みのある紙をつくることができます。
抄紙機のワイヤーを抜けるころには、絨毯のような白い一枚のなが~い用紙になっています。
【プレス・ドライヤーパート】
このパートでは、ワイヤーパートで出来た用紙を、プレスし水分を蒸発させていきます。
ローラーを通じ何度もプレスすることで、水分量が減り、用紙が平滑になり光沢感を持たすことができます。
それでも残ってしまう水分は、ドライヤーパートにて熱を使ったシリンダーへ通し蒸発させていきます。
ドライヤーパートを抜けた頃には、95%近くまであった水分量は4%〜7%になるそうです。
このパートで、模様の付いたワイヤーや、フェルトの生地に通してプレスをすることで、
模様の入った用紙や独特の質感の用紙に仕上がります。
4.製造工程【仕上げ部門】
抄き上がった紙は、〈欠点検出器〉を通り、コンピューターによる検査に合格した紙を、四六判など規格のサイズにカットして包装していきます。
検査では、異物や汚れをコンピューターが認識し、異物や汚れ等があった用紙は自動的に、生産ラインから除去され、
除去された用紙は、再び原料部門へ戻りパルプとして再度利用されているそうです。
最終的なカットの仕方によって流れ目(T目Y目)が決定され、厚さや種類によって包装されていきます。
また用紙によっては、別途エンボスの機械に通し加工を施していきます。
人の目による最終的な検品を行い、
出荷し私達の手元へと最終的に届きます。
5.まとめ
以上が、紙の出来るまでの全工程です。
特にトラブル等が無ければ、1時間くらいで紙が出来あがるとのことでした。
恥ずかしながら、この度初めて紙の出来る全行程を見学させていただきました。
実際に私達が、取り扱っている用紙が目の前で出来上がっていくの間近に見て
用紙の奥深さと、たくさんの人が関わって1つの用紙が出来ていくんだなと、改めて実感致しました。
今回の工場見学を快く引き受けて下さった日清紡ペーパープロダクツ株式会社の皆さま、
このような機会を設けてくださった、株式会社竹尾様、誠にありがとうございました。